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糖尿病

概要

糖尿病は、色んなの臓器インスリンが不足して、血糖値が高くなる病気です。
に悪影響を与えて、水を飲む量が増えたり、尿量が増えたり、痩せてきたり、様々な症状を出す病気です。

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はじめに

生物は、生きていくためにエネルギーが必要です。生物のすべての細胞は、エネルギーを必要としていて、中でも糖分は最も大事なエネルギー源です。
糖分は、炭水化物を食べて取り込むか、体の中(肝臓など)に貯めているものを崩して作ります。
細胞が糖分を取り込むためには、インスリンというホルモンが必要です。
インスリンは、膵臓で作られて、分泌されます。
インスリンが細胞で働くことで、細胞は糖分を取り込みます。
このように、インスリンは生きていくために不可欠なホルモンです。
また、インスリンは血糖値の調節もしています。
血糖値が正常より高くなると、インスリンが分泌されて血糖値を下げます。血糖値が低くなるとインスリンは分泌されなくなり、血糖値が上がります。
血糖値を調節するホルモンは他にもありますが、血糖値を下げられるのはインスリンだけです。このようにしてインスリンは血糖値を一定に保っています。
その他にも、肝臓や筋肉で糖分をグリコーゲンという形で貯蔵する作用や、脂肪や蛋白を合成する同化作用など、インスリンは様々な大事な役割を持っています。

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原因

糖尿病の原因は、インスリンが不足することです。
インスリンが不足してしまう原因には、いくつかの仕組みがあります。
 ①,膵臓に問題が起こって、分泌されるインスリンの量が少なくなる。
 ②,肥満などで、細胞でインスリンが効きにくくなる。インスリン抵抗性と呼ばれる状態になる。
 ③,血糖値調節に関わる他のホルモン、炎症など他の病気、薬物などが、インスリンの邪魔をする。

糖尿病の分類には1型、2型というものがありますが、1型糖尿病では、①の膵臓の問題が主な原因で、2型糖尿病では、①と②の組み合わせが原因です。
他に、妊娠糖尿病や、③が原因で糖尿病になってしまうこともあります。性ホルモンや③の仕組みは、糖尿病の治療を邪魔してくることも多い仕組みです。
インスリンが不足すると、血糖値を下げられなくなり、高血糖になります。
高血糖になると、糖尿になります。尿は腎臓で作られていて、血液中のゴミを捨てていますが、体に必要な糖分は捨てないようになっています。
しかし、血液中の糖分が多すぎると、尿の中にも糖分が出てしまい、糖尿となってしまいます。
糖尿になると、浸透圧利尿という仕組みによって、尿の量が増えます。尿が増えると体が脱水するので、のどが渇いて、水を飲む量が増えます。
糖尿病では、ほとんどの子で水を飲む量が増えて、尿の量が増えます。
もう一つ大事なこととして、インスリンが不足すると、細胞が糖分を取り込めなくなります。
そのため、体中の細胞がエネルギー不足になって、悪影響を受けます。これによっても、様々な症状が出てきます。

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症状

症状は様々ですが、ほとんどの子が、尿量が増えて、水を飲む量が増えます。 他の代表的な症状には、

  • 痩せてくる
  • 食欲が増える
  • 食欲が減る
  • 嘔吐
  • 後ろ足がおかしい(猫)

また、代表的な併発疾患には以下のものがあります。

  • 尿路感染症
  • 腎臓病
  • 白内障(特に犬)
  • 網膜障害
  • 肝臓病
  • 後肢の虚弱(猫)
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診断

糖尿病の症状が出ていること、空腹時に高血糖であること、尿糖が出ていることが確認されれば、糖尿病と診断します。

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治療

原因にもよりますが、ほとんどの場合、治療は生涯に渡り、糖尿病と付き合っていく必要があります。猫の場合にはインスリン治療が要らなくなることがあります。
治療は、インスリン治療と食事療法です。
インスリン治療は、足りないインスリンを注射で補う治療です。1日2回(もしくは1回)決められた量のインスリンを自宅で皮下注射します。
最初は大変ですが、一番重要な治療です。必要なインスリンの量は、多すぎても少なすぎてもいけません。
インスリンの量が多すぎると、低血糖症状を起こして虚弱や震え、発作が起きてしまいます。また、ソモギー効果という治療を難しくする状態を引き起こしてしまいます。
逆に、インスリンの量が少なすぎると、効果がありません。
インスリンの量は、症状、食事、血液検査、尿検査、血糖値曲線、基礎疾患の状態など様々なことを考えて、獣医師が決めます。
食事は、併発疾患などを考えて決まります。患者にあった食事を適切な量、規則正しく与えます。
不規則なタイミングでのおやつやご褒美は、血糖値を大きく変化させ、治療の妨げになるので推奨されません。
糖尿病を悪化させる病気がある場合には、その病気の検査や治療も行います。
また、犬の未避妊雌の場合には、避妊手術が推奨されます。発情期に分泌されるプロジェステロンというホルモンは、インスリンの働きを大きく妨げ、糖尿病を悪化させます。
家では、特に症状(水を飲む量、尿量、体重、元気食欲)をしっかりみてもらうことと、獣医師の指示通りに食事とインスリンの投与を行うことが大事です。
規則正しい生活が犬と猫の糖尿病でも重要です。

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予後

治療は、犬ではほとんどの場合生涯にわたります。猫では治療がいらなくなることもあります。
治療がうまくいっている場合には、健康な子と同じように生涯を全うすることができます。
ただし、糖尿病の治療が上手くいかず、インスリン不足の状態が長く続くと、糖尿病性ケトアシドーシスと言われる、命の危険がある状態になってしまいます。

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参考文献:犬と猫の内分泌疾患ハンドブック
JAHA141回国際セミナー「膵疾患のアップデート」


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