診療案内・科目

皮膚病

はじめに

皮膚病や外耳炎は動物病院に来院される最も多い病気のひとつですが、その原因はさまざまです。主な原因には細菌、カビ及び寄生虫などの感染、生まれつきの体質(犬種やアトピー体質など)、アレルギー(ノミや食事などを含む)、免疫の異常、ホルモンの異常、精神的な要因及び腫瘍などがあります。これらの原因は複雑に絡み合っており、見た目が似ている皮膚病でも原因は全く異なっていたり、いくつかの原因が重なっていることが多いため、順序だてた皮膚や耳垢の検査と粘り強い治療が必要になります。
皮膚病は一般的なものから、稀なものまで含めると数百を超える病気が存在すると言われていますが、その中でも非常によく見かける皮膚病をご紹介します。

ページの先頭へ

膿皮症

概要

フケや発赤も認められる
(写真1)表皮小環と膿痂疹。フケや発赤も認められる

皮膚への細菌感染が原因で起こる病気です。イヌで最も多く認められ、ネコでは稀な皮膚病です。もともと皮膚はさまざまな雑菌にさらされているため、一定の皮膚バリア機能がありますが、何らかの原因(基礎疾患、ストレス、アレルギーなど)によって皮膚のバリア機能が低下してしまうと細菌が過剰に増えてしまい、発症します。
症状は、フケ、表皮小環、かさぶた、発赤、膿痂疹などが認められます(写真1)。痒みは軽いものから強いものまで様々です。
どんな犬種でも起こる皮膚病ですが、ミニチュア・ダックスフント、フレンチ・ブルドック、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパードで多くみられます。

診断

似たような症状を示す皮膚病(寄生虫やカビの感染)を除外するために皮膚検査をおこないます。また、基礎疾患によって二次的に感染が起こっている可能性がある場合は血液検査やホルモン検査が必要です。

治療

抗生物質の全身投与(内服または注射)を粘り強く3~4週間おこないます。見た目上、皮膚に病変がなくなってからも最低1~2週間は抗生物質の全身投与を行わないとすぐに再発したり、慢性化してしまいます。また、再発を繰り返し、慢性化してしまうと非常に治りにくいのが特徴です。内服が困難な子には、1回の皮下注射で2週間有効な抗生物質もあります。
必要に応じて、局所の消毒やシャンプーもおこないます。シャンプー療法は治療や予防に非常に有効です。皮膚の状態によって、洗い方、洗う頻度、使用するシャンプーの種類が変わりますのでご相談ください。

ページの先頭へ

外耳炎

概要

赤ライン:外耳道、黒ライン:左から順に、鼓膜、中耳、内耳
(写真1)赤ライン:外耳道、黒ライン:左から順に、鼓膜、中耳、内耳

耳は外耳道・中耳・内耳の3つの器官から構成されています(写真1)。その中の「外耳道」に感染や炎症が起こり、痛みや不快感から、頭を振ったり、後ろ足で耳を引っ掻くようになります。その他、赤み・腫れ・耳垢・臭いが出てきます。原因は、感染、アレルギー、体質など様々です。慢性化してしまうと、外耳道全体が炎症のせいで硬く厚い肉芽様の状態になり、ほとんど外耳道内が見えなくなります(写真2)。さらに、炎症が中耳・内耳まで波及してしまう恐れがあります。その場合、斜頚などの平行感覚異常や聴覚障害などの症状が出てきます。

慢性外耳炎:耳介が厚く肉芽様に盛り上がり耳道の入り口が分からない
(写真2)慢性外耳炎:耳介が厚く肉芽様に盛り上がり耳道の入り口が分からない

診断

耳鏡
(写真3)耳鏡

耳鏡(写真3)という道具を用いて、外耳道内を観察します。正常では、鼓膜まで観察できますが、外耳炎では、耳垢・腫れ及びしこりなどにより見えなくなっています。また、細菌、マラセチア(真菌の一種)、ダニ、寄生虫などの感染がないか耳垢検査が必要です。炎症が中耳・内耳まで波及している疑いがある場合は、頭部レントゲンやCT検査が必要な場合もあります。

治療

感染性の外耳炎では、外耳道の洗浄や薬の点耳を行います。一度の洗浄では完治しませんので定期的な洗浄を繰り返し行います。自宅洗浄で無理に綿棒などを使用すると、逆に耳垢を奥に押し込んでしまい、悪化する可能性があるので症状が落ち着くまでは病院での洗浄が必要です。耳道の腫れがひどい場合には内服薬も追加します。以上のような内科的な治療で改善しないほど腫れがひどい場合や中耳・内耳まで炎症が波及している場合は、外科的な手術が必要になります。
外耳炎は原因や炎症の状態によって洗浄の回数や洗浄液・点耳薬の種類が変わりますので、上記のような症状がある方は、一度、ご相談下さい。

ページの先頭へ

ページの先頭へ戻る