診療案内・科目

僧帽弁閉鎖不全症

はじめに

僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間に存在する弁(開閉するしきりのようなもの)で血液が逆流しないようにする重要な役割を果たしています。この弁の一部または全部に異常が生じ、僧帽弁閉鎖不全症を引き起こします。犬の僧帽弁閉鎖不全は、主に僧帽弁と、それを支持する腱索(アキレス腱のようなもの)が障害されることによって起こります。

僧帽弁閉鎖不全症は進行性であり、数年の経過で弁や腱索の伸張は、さらに進行し、逆流量も増加します。逆流量の増加や経過とともに、様々な症状が現れてきます。

代表的な症状は、呼吸困難や繰り返して咳をする、運動を嫌がり散歩をしている最中座り込む・食欲不振で元気がなくなる、失神などがあります。しかし、このような症状が出てしまう時には、かなり重度となってしまっている場合が少なくありません。重度になってくると合併症として肺水腫(肺に水がたまってしまいガス交換がうまくいかない状態)による呼吸困難、左心房破裂などにより突然死してしまうことも珍しくありません。 発症当初は症状がなく、聴診器で心内雑音(心臓の収縮期に聞こえる逆流音)が聴取されるのみですが、この時期での早期発見、そして治療が大事になってきます。 全ての犬種に見られますが、特にマルチーズ、シー・ズー、ポメラ二アン、チワワ、プードル、ダックスフント、ミニチュア・シュナウザーなど主に小型犬に発症率が多いです。老年期に発生しやすく、犬の心臓病の中で一番発症率が高い病気です。年齢の統計では16歳ですと75%の犬が発症していると言われています。キャバリアキングチャールススパニエルだけで見ると、1歳ですでに33%がこの病気を持ち,4歳以上では60%になってしまいます。

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治療について

僧帽弁閉鎖不全症の主な治療は内科的治療、つまりお薬の内服によるものになります。
しかし、内科的治療は心臓の病気そのものを治すものではなく、病気がそれ以上進行しないように、もしくは症状の軽減が主な目標となって来ます。
そして、ほとんどの犬が一度お薬を飲み始めると一生飲み続けていかなければなりません。
最近では、大学病院や一部動物病院での心臓の外科的治療も行われ始め、技術も高度化が進んでいますが、費用面などまだまだ一般的な治療法としては浸透していません。
獣医界の発展と共に、動物たちの寿命も延びてきています。寿命の延長は喜ばしいことですがその分、高齢の犬たちも増加し、心臓病を持つ犬たちも増えて来ています。
胸の音を聴診器で聞くだけでもある程度の心臓病の有無は見抜くことが出来ます。『うちの犬は元気に走り回っているから大丈夫』は大きな落とし穴です。そんな犬たちにも心臓病が潜んでいる可能性はあります。
ひどくなる前の早期発見・早期治療により、心臓病とうまく付き合って行くことで、進行を遅らせ、寿命も著しく延びると言われています。
症状が見えない初期の心臓病を発見し、少しでも長い年月を健康で幸せな生活を送るためにも是非一度定期検診にいらしてください。

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当院で行える主な心臓検査

・聴診
・レントゲン検査
・心電図検査
・超音波検査
など

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